たいまさんへ
たいまさんへ
2025年3月16日 日曜日
今日は2025年3月16日日曜日です。昨日のシフトを持って、君はイルピアットを引退しました。2020年4月から5年間という時間を、イルピアット紙屋川で勤めてくださり本当に感謝しています。ありがとうございます。たいまは「ひとりのアルバイト」という枠を超えた存在でした。
働くきっかけになったのは、私が企画した「卒業式に花を贈ろう」というものでした。2020年3月20日。コロナ禍が始まりの足音を立て始めたことで、立命館大学の卒業式は中止になりました。それは、紙屋川アルバイトスタッフだった純平の卒業式が中止になることでもありました。4年間の学生生活に区切りをきちんと付けてあげたい気持ちから、賛同を募り、卒業生らに花をプレゼントする企画を立ち上げました。
たいまはこの花を配る作業を手伝ってくれました。この事がきっかけで、イルピアット紙屋川でのアルバイトが始まりました。始まりの頃は、まさに、コロナ禍でした。それまでの営業スタイルがままならないような事態になってしまい、試行錯誤、右往左往しながらの営業になりました。その状況でも、しっかりと作業を覚え、自分を高めるような姿勢だったたいまをよく覚えています。
学部生時代を経て、大学院へ進学し、政治思想を研究した2年間。私にはとても眩しく映っていました。大学院での学びを君から聞きながら、「なんと充実した時間だろうか」とよく思いました。たいまが話してくれる学びの成果は、私にとっても刺激になりました。大学生らしい、大学生。そんな人間と一緒に働けたことを嬉しく思います。
多くのお客様からも愛され、期待され、頼られていました。昨夜のお客様の皆さんを見れば一目瞭然ですね。売り上げも、イルピアット史上で最も良い数字でした。一日の売り上げが20万円を超える事など、未来永劫ないと思います。君とゆうかさんがシフトしてくれて良かったです。たいまの培った経験値と能力値の集大成であったと思います。とてもいい夜でした。
最後の日にたいまから受け取った手紙には、「師だと思いシフトを入れていました」とありました。そんな風に思ってもらえて、報われる思いです。私は君に頼り過ぎていました。とても頼りになりました。仕事だけでなく、思想や眼差しについての議論をすることも楽しくて仕方ありませんでした。そうした意味で、私はたいまから多くの事を学んでいました。私には掛け替えのない人です。
ゆうかさんと交際して、より一層の充実が見られました。内心、心配を抱きつつも、二人が育む時間の純粋さは、周囲も明るくしています。これは、君たち二人が誠実で実直であることの証明だと思います。この先の二人の交際は分かりませんが、二人がなるべく快適で尊重し合い、楽しい時間を共有できるようにと祈っています。
これまでを振り返ってみても、君とのエピソードは枚挙に暇がありません。どこにも隙間はなく、どこにもほころびさえ確認できません。私はとても充実しました。密度のある、重たい時間でした。たいまと働いた時間を私も経験値にしています。どうか、君もここでの時間を人生の糧にしてください。多くの方と出会い、交わった時間は、その人たちにとっても大きな財産になっています。そのことを忘れないでください。
君と働けたことを誇りに思います。そして、この先も繋がって行けることを嬉しく思っています。君のことだから大丈夫でしょうけれど、へこたれたり、苦しい時には「まかない」を作ります。その時には、ぽつりぽつりと話してください。いつでも耳を傾けます。私はここにいます。たいまさんが次のステージでも活躍されることを祈っています。5年間、ありがとうございました。お疲れさまでした。
イルピアット紙屋川 水谷啓郎