純平、お疲れ様でした。
純平へ
イルピアット紙屋川でのおよそ2年半に及ぶアルバイト時間、本当にお疲れ様でした。2020年2月22日に引退した現在、君が一番長くアルバイトを務めた記録保持者です。来年には智ちゃんがその記録を塗り替える予定です。昨年に引退したほっしーに続き、卒業までアルバイトとして活躍してくれていた事を非常に嬉しく思っています。諦めずに続けてくれた事にも感謝と尊敬を強く覚えています。本当にありがとう。
紙屋川でランチを過ごした後に「働いてみたいです。」とメールをもらった時、私はとても驚きました。同時に、その事がこの場所にお店を作った価値でもある様に思いました。純平が関心を寄せ、自ら連絡をくれた事を私は忘れません。話を聞くと純平はアルバイト経験数が非常に多かった。「働いてみて自分に合わなければ直ぐに辞めてしまうのだろうか。」と考えた事も覚えています。しかし純平はそんな私の心配を見事に覆してくれました。君は私に自信を与えてくれたし、非常に高いパフォーマンスをも見せてくれました。
回数を重ねて純平が紙屋川について主体的に考えてくれるのがよく分かりました。純平自身、このお店に何かを感じ取ってくれていて、私は一緒に働ける事が嬉しかったです。自分のお店の様に思ってくれてありがとう。その事が一番色濃く出ているのが「イルピアット紙屋川CM動画」でしょう。私の提案を快く引き受けてくれて君は素晴らしい動画を作ってくれました。いくつものMV制作で得た経験を活かしたCM。私は何度も再生してニヤニヤしました。
動画のBGMは紙屋川で生まれる音を録ってサンプリング。作業音で構成されるBGMが動画に時間とスピードを与えています。映像の構成も純平ならではの視点で組まれていて、純平が紙屋川をどう捉えているのかがよく伝わる内容になりました。色彩も展開も、私の隣で作業を見ている純平だったからこその表現でした。今でも動画はHPで見れます。このCMは私の誇りです。純平は紙屋川に財産を残してくれました。
3月には卒業です。4月には社会人として働きます。この4年間、どうでしたか?人生を充実に導く友人や仲間と出逢えましたか?映像学部は非常に特殊な学部に思います。アルバイト代を注ぎ込んで課題制作をする。上回生、下回生との繋がりも緊密です。よく飲むし、制作にまつわる話では熱のこもった議論にもなる。学部での課題に全力で挑む姿を目のあたりにして、「昔の学生たちのようだ。」と思ったものです。この4年間での経験は「純平」を作ったし、君の未来を支えるはずです。映像学部ならではの精神があるし、思想がある。近年の他学部にはあまり見当たりません。
純平は芸能プロダクションという(これまた特殊な)職場を選びました。どんな仕事内容なのか私にはさっぱり見当がつきません。非常に忙しい仕事なのだろうと想像をします。休日もほとんど無いかも知れません。初めのうちは体調を崩したり、付いて行くので精一杯かも知れない。嫌になってしまう事もあるでしょうか。初めに伝えておきますが、死なないように。死にそうになったら休むように。冗談ではなく、本当に。
それでも君はしっかりと勤めるのだと思います。さほど心配はしていませんが、無理を重ねないようにしてください。東京には映像学部の戦友たちが多くいます。これは非常に心強いことです。先にも言いましたが、映像学部にしかないスピリットが純平には宿っています。「社会人で働く事は大学生とは違う」とよく言われていますが、私にしてみれば変わりはないと思っています。社会人だからと偉い訳でも、厳しい訳でもありません。意識は大切ですが、仕事での役割をきちんと理解できれば恐れることなど何もないはずです。そこの所は純平が自信を持って良いです。私が保証します。
それでも。もし。もし、純平がへこたれてしまい、挫けそうになったら。私に連絡をください。必ずください。その時は東京へ馳せ参じて、アラビアータを作るぜ。思い出させてやる。この2年半を。必ず引き揚げてやるから。心配は要らない。純平には映像学部のスピリットだけでなく、イルピアットのスピリットも宿っているのだから。ただのアルバイトで過ごした時間じゃなかったことを注入しに行くぜ。私にできる事は料理くらいだ。しかし料理が持つ可能性を私は誰よりも信じています。それを証明しに行くぜ。
非常によくできた時間だった。純平。ありがとう。君は未来を作るんだぜ。純平が選んだ役割を存分に楽しんでください。快適さを忘れずに。ユーモアを奪われてしまわないように。何よりも、自分を大切に。よくできた時間だった。とてもよかった。最後の日、純平BGMだった。その選曲にサザンの「みんなのうた」があった。作業しながら泣きそうだった。良い選曲だなと思った。最後の日、とても充実した。本当にありがとう。
上田純平の成功を祈ってます。
一緒に働いてくれてありがとう。
トニーより
2020年2月23日 日曜日(夕日が浦温泉 新海荘にて)